burannkaコロナの影響で映画を観る機会が増えています(と言ってもDVDやネット配信での鑑賞ですが)
特にネット配信の映画には、改めてインターネットの便利さに感心してしまいました。地方都市のビデオ屋さんには置いていないようなマイナーな映画が楽しめるのが、何より魅力です。アメリカ映画も面白いですが、スウェーデンとかポーランドなど馴染みのない国の作品は風景を見ているだけで、ウットリです。

でも、やはり東南アジアはいいよな、としみじみ思ったのが「ブランカとギター弾き」というフィリピンのマニラを舞台にした映画。ストリートチルドレンの少女ブランカと盲目のギター弾きピーターのロードムービーです。フィリピンは訪れたことがないのですが、ゴチャゴチャした街並みや溢れんばかりの人混み、屋台の群れなど・・・ほとんどバンコクなんですね。

スッカリご無沙汰して忘れかけていた懐かしのバンコクが一気に甦り、映画の世界に引き込まれてしまいました。映画を観る本数が増えて思うことに、当たり前なことですが、良くできた面白い映画が沢山あり、あまり知らなかった国々の作品でも感動させられ、眼からウロコが落ちる思いにさせられたことが多々あります。

この映画も予備知識なしで見始めたのですが、フィリピンにもこんな映画を撮る監督がいるのだ、という驚きでした。エンドタイトルで、実は監督は長谷川宏紀という日本人で(脚本も)、解説によるとカメラマンで初の長編映画だそうです。少し拍子抜けする感覚と、やはりね、と腑に落ちるところもありました。それほどに垢抜けしたセンスで作られた映画だと思います。


主人公のブランカを演じるサイデル・ガブテロちゃんが褐色の肌をした、東南アジアの美少女って感じで観てるオジサン心を惹きつけます。ギター弾きのピーターはマニラで実際にストリートで演奏していた人物だそうで、その他の出演者も監督がマニラで出会った素人の人たちを起用しているそうです。ストリートギャングをしている弟分役の男の子の存在がイイです。何かとブランカを気遣ってくれるトウがたったキャバレーのオバサン(オジサン?)もイイ。


コロナで仕入れに出掛けられない身には、しばしアジアを堪能できた作品でした。2015年の映画です。